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畠山直哉, 片山真理……日本とオーストラリアを
代表する現代写真を紹介する写真展が開催中。
ART Sep 24, 2021
東京都写真美術館では、日本とオーストラリアの現代写真を紹介するエキシビション「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」が開催中。
本展はメルボルン大学教授ナタリー・キングとの共同企画によるもので、これまで「世界は歪んでいる。─Supernatural Artificial」展(2004年)や、「オーストラリア現代作家 デスティニー・ディーコン」展(2006年)を開催するなど、オーストラリアの現代写真表現を先駆けて紹介してきた東京都写真美術館を会場に、日本とオーストラリアの継続的な文化交流の一環として行われる。
出品作家は、マレイ・クラーク、ローズマリー・ラング、ヴァル・ウェンズ、ポリクセニ・パパペトロウ、 石内都、片山真理、畠山直哉、横溝静の全8名。それぞれの表現方法や作風は異なるが、自身が生きている社会や歴史、文脈を踏まえながら、社会と個人の問題を行き来して制作活動を行っている作家が選ばれた。例えば、オーストラリアの先住民族、アポリジナルの作家であるマレイ・クラークや、インドネシアからの移民であるヴァル・ウェンズ、日本の作家では、原爆被害者の遺品を撮影した代表作「ひろしま」シリーズを手掛けた石内都や、東日本大震災からの復興過程にある故郷、陸前高田を記録した畠山直哉の作品など。日本とオーストラリアという2つの国にはそれぞれの歴史的背景があり、そこに暮らす人々は独自の精神文化を担っている。しかし、グローバル化が急速に進むと共に、現在のパンデミックに象徴される私たちの想像をはるかに超える出来事が日々起きている現代では、国という枠を超えてお互いが共有できるものはますます多くなっている。本展ではこのような現代社会において、写真表現がどのような意味を持っているのかを作品を通して観賞者に投げかける。
本展の企画者は、写真というものが過去や社会と密接に絡み合い、私たちの時間の概念をゆるがし、個人の経験と社会構造をつなぐ力を持っていると語る。そういった意味では、今回の出品作品は、過去と未来、経験と未知、記憶と忘却、生と死など対立するものの間を行き来し、その循環から、鑑賞者を新たな視座、可逆的な思考へと導いてくれるものだと期待している。8名の作家たちの写真や映像表現を通して、自分たちの未来を考察するきっかけのひとつにしてみてはいかがだろうか。
会期:開催中(10月31日まで)
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 ¥700/学生 ¥560/中高生・65 歳以上 ¥350
*小学生以下および都内在住・在学の中学生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2 名まで)は無料。
*オンラインによる事前予約を推奨します。詳細はホームページをご参照ください。
会場:東京都写真美術館 3階展示室
東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
www.topmuseum.jp
TEL 03-3280-0099