NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2024
アーティスト自らキュレーションを手掛けた,
「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」が開催。
ART Apr 21, 2021
イギリスを代表するアーティスト、ライアン・ガンダーが東京オペラシティ アートギャラリーの収蔵品をキュレーションする展覧会「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」が現在開催中。
本展は、イギリスを代表するアーティストであり、コンセプチュアルアートの新しい地平を切り開く作家として世界中のアートシーンで注目を集めるライアン・ガンダーが、今年4月に開催を予定していた個展が新型コロナウイルスの影響を受けて延期になったことから企画されたものである。
ガンダーがこの状況下でもできることとして「イギリスからでも収蔵品にキュレーションができるのでは?」と自ら申し出たことで、当初4階のみで企画されていたエキシビションを全館を使った大規模な形にアップデートして開催されることとなった。
3階と4階で異なるテーマを設けた、ふたつの企画で構成されるが、どちらにも共通しているのはこの美術館創設に尽力した故寺田小太郎のプライベート・アイ・コレクションの中から、ガンダーがキュレーターとなって作品を選び、展覧会という形で表現したことである。ガンダーの作品制作の特徴のひとつに、日常生活で気にも留めないようなあたり前の物事に光を当てて、新たな視点で観察と解釈を施し表現する点が挙げられるが、この企画もまた彼の考察や解釈を通して見直された収蔵品そのものが、ガンダーと寺田小太郎の時を超えた対話から生まれたものであると言えよう。
「ストーリーはいつも不完全……」と題された展示では、従来の常識にはない、薄明かりのもとで懐中電灯を照らしながら作品を鑑賞するという試みに挑戦する。来場者の“見たい”という気持ちを再確認するこのユニークな仕掛けは、普通なら見逃してしまった物事へ注目するという行為を含めて、誰もが作品との一対一の親密な関係を作る機会となるはずだ。
もう一方の展覧会「色を想像する」では、寺田小太郎が収集のテーマのひとつとしていた“ブラック&ホワイト”に呼応して、黒と白のみで構成された世界観を提示する。また会場の展示方法にも趣向を凝らし、欧米の美術館に多く見られる大きな壁面上下左右にびっしりと作品を並べるサロンスタイルを踏襲した展示が行われる。
海を越えた遠く離れた地から、アーティスト自らキュレーションを手掛けた異色の展覧会「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」は6月20日(日)まで開催中。
会期:開催中(6月20日まで)
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜日(5/3は開館)
入場料:一般 ¥1,000[800]|大・高生 ¥600[400]|中学生以下無料
*同時開催「project N 82 松田麗香」の入場料を含みます。
*[ ]内は各種割引料金。障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
www.operacity.jp/ag