NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT JAN, 2025
ヴィンテージのデジタルカメラを再利用して,
都市景観を変容させるアントニー・ケアンズ展。
ART Dec 13, 2024
ロンドンを拠点に活動するアーティスト、アントニー・ケアンズの個展「MaViCa CTY」がAkio Nagasawa Gallery Aoyamaにて、2025年2月1日(土)まで開催中。
アントニー・ケアンズは、1980年ロンドン生まれのアーティスト。ロンドンや東京、ロサンゼルスなどの大都市の建物から投影される光を使い、夜間に写真を撮影し作品を制作。「PXL CTY」(MEP、パリ、フランス、2022年) や「The Tale of Adam Earl Gordons」(Théâtre de Verdure、ヴヴェイ、スイス、2018年) といった個展をはじめ、様々なグループ展の参加など、ロンドンを拠点に活動しながら世界各地で作品を発表している。
本展は作家による新しい作品で、ヴィンテージのSony Mavica MVC-FD200カメラを、世界的なプロダクトデザイナー、喜多俊之がデザインを手掛けたシャープ製テレビに接続して展覧するもの。アントニー・ケアンズは近年、SonyのFD2000初期型デジタルカメラを収集しており、同機を現代のデジタルメディアとしての写真技術を変えた先駆的なカメラと捉えているという。なぜなら、このカメラは画像が画面上に表示されるという新しい概念を採用し、デジタル録画デバイスとして、内蔵機能を活用することで無限にスライドショーを表示できるというのが、その理由だ。これにより、カメラをテレビに接続して写真を見るという体験が可能になり、今回紹介したようなメディアアート作品が生まれる背景となった。
展示される作品群は、夜の都市風景をテーマにしたもので、様々な大都市の景観をスライドショーとして写し出すが、カメラの内蔵エフェクトを利用して、画像に抽象的なレイヤーを重ねている。古いメディア特有の質感も含めて、ノスタルジーやそれとも全く逆の近未来感など、鑑賞者によって様々な感情を呼び起こす。アントニー・ケアンズの新作個展「MaViCa CTY」を、ぜひお見逃しなく。
会期:開催中(2025年2月1日まで)
会場:Akio Nagasawa Gallery Aoyama
東京都港区南⻘山5-12-3 Noirビル2F
時間:11:00~13:00/14:00~19:00(木、金、土曜)
休廊日:日~水曜、祝日
www.akionagasawa.com/exhibition/mavica-cty/