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東ドイツのボブ・ディランと呼ばれた男の真実,
「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」。
ENTERTAINMENT May 10, 2021
ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞で最優秀賞を含む6部門を受賞した作品「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」が、5月15日(土)より全国公開される。
本作は、1980年代から東ドイツで活躍していた実在のシンガーソングライター、ゲアハルト・グンダーマンの人生を通して、ベルリンの壁崩壊以前/以降という2つの時代から東ドイツの過去を厳しく見つめ、問い直そうとする新しいドイツ映画であり、ある種の“ふるさと映画”でもある。
舞台はベルリンの壁がまだ存在していた冷戦時代の東ドイツ。昼間は褐炭採掘場でパワーショベルを運転する労働者、グンダーマンは、仕事が終わると仲間と共にステージに上がり、希望や夢、理想に満ちた曲を歌い、東ドイツのボブ・ディランとも称される人気者であった。その一方で、共産主義体制下の同国で、シュタージと呼ばれる秘密警察に協力するスパイとしての顔を持ち、友人や仲間を裏切っていく。1990年の東西ドイツ統一後もカリスマ的な人気を博していたグンダーマンだが、同じようにかつてシュタージに協力した著名人たちが次々と告発されるのをテレビ報道で知った彼は友人たちを訪ね、過去の自分とシュタージとの関わりを告白する。しかしそこに待っていたのは「俺もお前を監視し、報告してた」という友人からの言葉だった……。
本作の監督を務めたのは、ポツダムの映画テレビ大学(HFF)で演出を学んだアンドレアス・ドレーゼン。ベルリンの壁崩壊から30年の時を経て、ドイツ国内で“東ドイツのアイデンティティ”について再び多くの議論が巻き起こる中、友人、知人を問わず、家族さえも相互に監視することを強いられた東ドイツの闇を照らし出すと共に、東西ドイツの統一直後に最も活躍したミュージシャンでもあるゲアハルト・グンダーマンの人生を感性豊かに、愛情深く、10年もの歳月をかけて丹念に描き出した。
分断された国に生きた人物の複雑な生涯と、現在を生きる私たちとの橋渡しをするように哀しくも美しい歌が響き渡る「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」は、渋谷ユーロスペース他で全国順次公開予定。なお、緊急事態宣言の発令を受けて、劇場によっては時短営業となっているので詳細についてはオフィシャルサイトでご確認を。
5月15日(土)より渋谷ユーロスペース他全国順次公開
監督:アンドレアス・ドレーゼン
脚本:ライラ・シュティーラー
音楽:イェンス・クヴァント
出演:アレクサンダー・シェーア/アンナ・ウンターベルガー
提供:太秦/マクザム/シンカ
後援:ゲーテ・インスティトゥート大阪、京都
配給/宣伝:太秦
原題:GUNDERMANN 字幕、資料監修:山根恵子
2018年|HD|シネマスコープ|5.1ch|128分|ドイツ
©2018 Pandora Film Produktion GmbH, Kineo Filmproduktion, Pandora Film GmbH&Co. Filmproduktions- und Vertriebs KG, Rundfunk Berlin Brandenburg
gundermann.jp