INTERDIFFUSION A TRIBUTE TO YOSHI WADA

Text_SWAG H.

INTERDIFFUSION
A TRIBUTE TO
YOSHI WADA

ドローン音楽の世界的パイオニア,ヨシ・ワダこと
和田義正のトリビュートコンサートが開催。

ENTERTAINMENT Dec 8, 2021

Text_SWAG H.

ドローンミュージックシーンの世界的なパイオニアのひとりとして知られる現代音楽家、ヨシ・ワダこと和田義正のトリビュートコンサート｢INTERDIFFUSION A tribute to Yoshi Wada｣が、山梨県北杜市の特設会場にて開催される。

YOSHI WADA

1960年代後半からニューヨークを拠点に活動したヨシ・ワダは、配管パイプにマウスピースをつけたパイプホルンをはじめとする楽器創作と作曲の両輪で活動したサウンドアーティスト。5mを超えるアースホルンと呼ばれる低音持続音発生機や、改造バグパイプ、自作のパイプオルガンなどを用いたドローンミュージックの作品は、ラ・モンテ・ヤングやインド古典音楽のラーガのように長時間演奏し続けることで、時間の感覚を変調させていく実験的要素を含んだインスタレーションの側面も持っていたといわれる。

日野浩志郎

ニューヨークで多くの実績を積みながらもアーカイブは少なく、近年まで知る人ぞ知る現代音楽家だったのだが、2007年から2012年にかけて、一連のアーカイブが大阪拠点のレーベル｢エムレコード｣と、実験音楽専門レコード屋｢オメガポイント｣により共同リリースされたことで世界的に評価が高まり、以降、ヨーロッパやアメリカなどで頻繁にコンサートを開催。逝去した今年5月には、ヨシ・ワダ最高傑作といわれる｢The Appointed Cloud｣の初レコード化がアナウンスされたばかりであった。

FUJIIIIIIIIIIIITA

トリビュートコンサートでは、ヨシ・ワダから多大な影響を受け、日本を拠点にしながら世界を舞台に活動する2人の現代音楽家、日野浩志郎(goat/YPY)とFUJIIIIIIIIIIIITAの両者が、ヨシ・ワダから得たインスピレーションを出発点とし、嵐田紀子(サックス)、石原只寛(サックス)、カメイナホコ(サックス)、竹内理恵(サックス)、立石雷(篠笛/パーカッション)、富田真以子(パーカッション)、中川裕貴(チェロ)、甲宣明(音響) の8名を演奏に迎え、コンサートピースを発表する。現代の音楽家たちがつくり出す新たな表現となる｢INTERDIFFUSION A tribute to Yoshi Wada｣は、12月18日(土)に各公演80名限定の2部制で開催される。

PROFILE

YOSHI WADA(和田義正)

1943年京都生まれ。1967年に京都市立美術大学・彫刻科(現・京都市立芸術大学)を卒業後、単身でニューヨークへ移住。ジョージ・マチューナスとの偶然の出会いからフルクサスに迎えられ、同氏から作曲家、ラモンテ・ヤングを紹介されたことが契機となり同地のニュー・ミュージック・シーンに参加。ヤングに作曲を学び、彼を介してインド伝統歌唱のマスター、パンディット・プラン・ナートに師事。その後、バグパイプのマスター、ジェームス・マッキントッシュとナンシー・クラッチャーから古典バグパイプ音楽を習得する。一方、ハリー・パーチの発見で楽器創作をもとにした作曲法にも開眼。70年代初頭より作曲と楽器創作の両輪で活動する作家としてシーンに登場し、最初から“音”のアートを標榜。最初期は創作楽器によるミニマリズム作品、次いでヴォイス作品を実験し、ヴォイスとバグパイプによる｢ラメント・フォー・ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ジ・エレファンタイン・クロコダイル｣(1982)でレコードデビュー。同作で生まれた音響の可能性を実験した｢オフ・ザ・ウォール｣(1985)で、太い音を長時間演奏し、重厚さの均衡を保つ作風を発展させ、約2年後に代表作｢ジ・アポインテッド・クラウド｣(1987)を完成。すべてがクラシック音楽の伝統に抗っていながらも、進行する西洋音楽の渦中の重要人物であるというユニークな存在となった。90年代以降は、音楽の伝統的な演奏方法やコンサートから身を引き、マルチメディアを取り入れたインスタレーションや生活に近い場所でのアートを展開。2010年代からは息子のタシ・ワダと活動をともにした。

INFORMATION

INTERDIFFUSION A tribute to Yoshi Wada

開催日時:2021年12月18日(土) ①12:00 open/13:00 start ②16:30 open/17:30 start
会場:INTERDIFFUSION A tribute to Yoshi Wada 特設会場
山梨県北杜市須玉町比志3611-6
料金：一般 ¥4,500/U25割引 ¥2,500
収容人数：各公演限定80名

出演者:日野浩志郎、FUJIIIIIIIIIIIITA、嵐田紀子、石原只寛、カメイナホコ、竹内理恵、立石雷、富田真以子、中川裕貴、甲斐宣明(WHITELIGHT)
作曲：日野浩志郎、FUJIIIIIIIIIIIITA
照明：渡辺敬之
空間デザイン：Sawada Hashimura
グラフィックデザイン：岡﨑真理子
発案：日野浩志郎
企画監修：Tashi Wada、江村幸紀(EM Records)
主催・企画：中野勇介(BLISS/SANA Inc.)
協力：LEMAIRE、Edström Office
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業

interdiffusion-yoshiwada.zaiko.io/e/tribute 