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バレンシアガやKOHHへのアートワーク提供で
注目を集める造形作家, 池内啓人の個展開催。
ART Dec 24, 2021
レイヤードミヤシタパーク内にあるアートギャラリー SAI(サイ)では、造形作家 池内啓人による個展「IKEUCHI HIROTO EXHIBITION」を1月8日(土)より開催する。
池内啓人は、1990年東京都出身のアーティスト。幼少期から影響を受けた「スター・ウォーズ」や「ゾイド」、「ガンダム」などの国内外ポップカルチャーから着想を得たイメージに、日本独自の模型文化を掛け合わせたハイブリッドジオラマを制作。第17回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞の受賞を皮切りに、世界最高峰のメディアアート イベント「アルスエレクトロニカ」に招待されるなど、国内外から高い評価を獲得。近未来、ノスタルジック、サイバーパンクなど、鑑賞者によって様々なイメージを想起させるオリジナル表現は、常に更新し続けており、現在では主にスーツやヘッドセット、ガジェットなど、身に着ける工業製品をベースに制作する表現へと進化している。
オリジナリティ溢れる作風と独自の世界観は、バレンシアガ2022春夏コレクションのキャンペーンヴィジュアルをはじめ、シュウ ウエムラやジェントルモンスターへの作品提供。さらに、「WIRED ITALIA」のカバーを飾った他、「V magazine」「VOGUE」「PURPLE MAGAZINE」などで特集が組まれるなど、世界中のメディアから注目を集めている。また、国内に目を向けるとアーティスト、KOHHの6thアルバム「worst」のジャケットデザインを担当し、エイサップ・ロッキーが日本で開催したポップアップ ストアに参加するなど、ジャンルやシーンを横断する多彩な活躍をみせている。
池内のキャリアにおいて最大規模となる本展では、身体拡張ロボット「スケルトニクス」の開発、製造チームと共に制作されたスーツ作品を中心としたコンセプチュアルスペースをはじめ、これまで発表してきた多数の作品を展示。また、新たな試みとして、デザイン及びテクノロジーアートの分野においてシームレスに活躍するPROTOTYPE INC(プロトタイプ) と共同制作した、体験可能な大型新作も初公開される。会場では、これらの作品制作のプロセスや、池内のインスピレーションソースが鑑賞できるなど、アイデアの一片がアート作品へと昇華する過程を追体験することもできる。デコラティブな造形美が印象的な池内の作品だが、制作の前提として、作品に用いられたプロダクトが本来持っている機能を損なわないという特徴がある。あくまでもオブジェではなく、実際の使用目的を備えながら精緻なパーツの配列や、無機質な色使いなど、視覚的な要素を加味した作品群は、従来の機能美とは違う異形の面白さがある。さらに、それらを人が装着や体験することで生まれる、通常の芸術鑑賞とは異なるその場、その人にしか得ることのできない新たな発見を鑑賞者にもたらす。作品を介して鑑賞者との間で芽生える、ある種のコミニケーションツールにも似た感覚を伴う芸術表現を、ぜひ現地で実際に体感してみてはいかがだろう。
会期:2022年1月8日(土)~1月30日(日)
会場:SAI
東京都渋谷区神宮前 6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
時間:11:00~20:00(無休)
入場料:無料(事前予約制)
TEL 03-6712-5706
www.saiart.jp