NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2024
ドローイングをテキスタイルに落とし込んだ,
ルメール×マルティン・ラミレスのアイテム。
FASHION Apr 19, 2021
ルメールは、メキシコ人アーティスト、マルティン・ラミレスのドローイング作品を発展させたカプセルコレクションを発売する。
2020年秋冬コレクションに続き第2弾となる本コレクションでは、ラミレスの「Madonna」、「Boat and Canal」、「Landsape」、「Horse and Rider」、「Horserider」という4点のドローイング作品からインスピレーションを得て、ファブリックのサイズに合わせて原画を忠実に配置。こうして作られたテキスタイルは、ユニセックスのシャツやトップス、スカート、ドレス、ジャケット、スカーフ、バッグに用いられ、ルメール特有のたっぷりとしたシルエットや着る人の身体の動きに合わせて、具象と抽象の様々なモチーフが命を吹き込まれたように動き出す。
マルティン・ラミレスは、死後60年近く経った今でこそ、20世紀の最も優れたアウトサイダーアートの画家として、ワシントンD.Cのスミソニアン博物館やニューヨークのグッゲンハイム美術館などに作品が収蔵され、外国人アーティストとして初めてアメリカ切手に採用されるなど、高い評価を確立したが、その人生は実に厳しいものであった。1925年に家族をメキシコに残し、仕事に就くために移住したアメリカで精神を患って入院すると、1963年に結核で亡くなるまで殆どの人生を隔離状態で過ごした。素朴なタッチと柔和な色調で描かれる聖母や悪党、動物、炭鉱、鉄道などのモチーフは、故郷メキシコとアメリカの文化だけではなく、搾取や隔離などの人生の紆余曲折を想起させる。また、遠近法の概念を無視したラインや精緻な反復表現はグラフィカルな美しさすら漂わせている。
ルメールはラミレスの作品が、誰もが自由と変化を望む今という時代の空気に共鳴するものだと考えており、アウトサイダーアート特有の意図せずはみ出した個性を決してデフォルメすることなく、敬意を払って作品と向き合う姿勢からはルメールらしい真摯なものづくりが見てとれる。
ルメールとマルティン・ラミレスのカプセルコレクションは、一部の取扱店にて順次販売される。また、青山にあるSKWAT/LEMAIREでは、今回の取り組みにおけるショートムービーやラミレスの作品集を見ることができるようなので、そちらも併せてチェックしてみてほしい。
TEL 03-6384-0237
us.lemaire.fr/pages/store-tokyo