NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT JUN, 2025
SNSで流行するセルフィー現象から着想を得て,
セルフポートレートで表現した最新コレクション。
FASHION Jun 2, 2025
1961年にフランスで創業されたブランド「Courrèges(クレージュ)」は、2026年春夏メンズ&ウィメンズプレコレクションを発表した。
最新コレクションの撮影の主導権を自身のコミュニティに託したアーティスティックディレクターのニコラス・デ・フェリーチェ。ソーシャルメディア上で流行する“パリの鏡(Mirrors of Paris)”セルフィー現象をインスピレーション源に、自由な解釈を観察する立場へ回ったという。
ファッションモデルのアポリーヌ・ロッコ・フォレール、エロディ・ギポー 、アクセル・ゲイなどの顔馴染みから、ジャッキー・フーパー、ステラ・ハナン、ナスタッシア・ルグラン、サミュエル・エリーといった新たなミューズまで、18人が自らカメラを手に取り、パリのストリートを舞台にセルフポートレートで撮影。観光名所の片隅や日常の風景、落書きや雑踏、建築物、そしてファッションが入り混じる“鏡越し”のポートレートは、アトリエをパリの日常の中へと招き入れるかのようである。
2022年春夏よりブランド初のメンズウェアをスタートさせたニコラス・デ・フェリーチェによるワードローブの特徴は、アーキタイプなスタイル同士が互いのディテールを借り合い、機能性と形式美の境界線が曖昧になっているところ。今シーズンのキーアイテムであるトレンチコートのベルトとファブリックバックルは、スポーティなバブルカットのブルゾンの襟元や、ピッタリとフィットするライクラパンツのウエストライン、あるいはカットアウトトップのストラップとして再解釈され、コレクション全体に重層的なテーマをもたらしている。そして、誇張されたボリューム、ミニマルなスポーツウェア、洗練されたワークウェアは、メンズとウィメンズの間を自由に行き来し、ジェンダーを越えた自由な装いの美学として確率されていく。
スマートフォンで撮影された即効的で斜めの視点から切り取られた1枚1枚の写真たち。「クレージュ」とその根底にあるパリのストリート精神とを常に結びつけてきた“現実という舞台”を再現した、洗練とリアリズムが同居するそのヴィジュアルは、まさに同ブランドが体現する世界観を映し出しているといえるであろう。
TEL 03-6427-5901
www.courreges.com