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20世紀を代表する芸術家,サルバドール・ダリの
知られざる姿と狂騒的な日々を描いた話題作。
ART Aug 30, 2023
シュルレアリスムの代表的な作家としても知られるスペイン出身の芸術家、サルバドール・ダリを描いた映画「ウェルカム トゥ ダリ」が、9月1日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国公開される。
本作の題材となったのは、20世紀で最も偉大な芸術家のひとりとも讃えられるサルバドール・ダリ。その代表作でもある「記憶の固執」や「茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感)」などで描かれているグニャリと歪んだ柔らかい時計や変形した肉体といった、それまでの価値観や常識を覆す画期的な作品で人々の心を揺さぶり、絶大な人気と名声を獲得。また、絵画だけではなく、自身のキャラクターもまたダリの“作品”であった。両端を跳ね上げた独特の口ひげと奇抜なスタイルに加え、「私は永遠に生きる。天才は死なない」、「神々と肩を並べる方法は、1つしかない。神々のように残酷になることだ」など、数々の尊大ともいえる名言を発し、毀誉褒貶を併せ持つ現代におけるインフルエンサー的な存在として、常に人々の注目を集めていたのだ。そんなダリがポップカルチャー全盛期を迎えた70年代のニューヨークで、ファッション、音楽、アートを時代の最先端に立って牽引していく姿を刺激的に描いたのが、今回の作品である。伝説のナイトクラブ「スタジオ54」や高級ホテルのスイートルームを舞台に、ロックスターやドラァグクイーン、華やかなセレブリティや野心に溢れたモデルたちが集い、夜な夜な享楽的なパーティが繰り広げられる。そこにはエキサイティングかつクリエイティブなパワーが満ち溢れ、そして危険な時代を追体験できる「ダリ・ランド」の世界へと、観る者を引き込んでいく。
エキセントリックな天才芸術家、ダリを演じるのはアカデミー賞に4度ノミネートされ、「ガンジー」(1982)でオスカーを手にした名優、ベン・キングズレー。誰も真似できないアイデアに溢れた偉大な芸術家であり、人々を煽るエンターテイナーでもありながら、傷つきやすい心を持ち、老いと死への恐怖を抱えるなど、いくつもの顔を持つダリを熱演した。ダリの妻で、激しい気性のガラ役には、「ローザ・ルクセンブルク」(1986)でカンヌ国際映画材女優賞を受賞したドイツ人俳優バルバラ・スコヴァを起用。憧れのダリから学ぶために、アシスタントとして彼の世界に踏み込むことになった若き青年ジェームス役には、ロンドンとニューヨークの演劇学校の膨大な数の卒業生名簿の中から見出された逸材であり、本作が長編映画デビューとなるクリストファー・ブライニーが抜擢された。そして、「アメリカン・サイコ(2000)や「チャーリー・セズ/マンソンの女たち 」(2018)などを手掛けたメアリー・ハロンが監督を務めている。
サルバドール・ダリとは一体何者だったのか? 心が浮き立ち、胸を躍らせるポップカルチャーの裏に秘められた、20世紀で最も偉大な芸術家の真の姿に迫る「ウェルカム トゥ ダリ」を、お見逃しなく。
9月1日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA他、全国公開
監督:メアリー・ハロン
出演:ベン・キングズレー、バルバラ・スコヴァ、クリストファー・ブライニー、ルパート・グレイヴス、アレクサンダー・ベイヤー、アンドレア・ペジック withスキ・ウォーターハウス andエズラ・ミラー
2022年|イギリス|英語|98分|カラー|ビスタ|5.1ch|字幕翻訳 渡邉貴子|PG12
配給:キノフィルムズ
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