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ABOUT OCT, 2024
写真, 映像,ドローイングなど50点を展示する,
野口里佳の5年振りとなる個展「不思議な力」。
ART Oct 12, 2022
写真家、野口里佳の個展「不思議な力」が、2023年1月22日(日)まで東京都写真美術館にて開催中である。
さいたま市出身で現在、那覇を拠点に活動する野口里佳は、1992年より写真作品の制作を始め、1995年「写真3.3m²(ひとつぼ)展」と1996年「写真新世紀」展でのグランプリを受賞。以降、国内外の展覧会で写真、映像作品を発表するなど、精力的な活動を続けている。作品は、東京国立近代美術館、国立国際美術館、グッゲンハイム美術館、ポンピドゥ・センター等に収蔵されるなど、現代美術の世界を含めて国際的にも高い評価を受けている作家のひとり。
東京都写真美術館では初開催となる本展では、写真と映像、さらにドローイング作品を含めた50点を展示。初期作品「潜る人」(1995年)から最新作「ヤシの木」(2022年)まで、作家のキャリアを網羅的に紹介しながら、時間や場所も超えていく写真表現が有する”不思議な力”に導かれるように、野口がこれまでに出会ってきた様々な現象や光景を作品を通して観ることができる。
父親が愛用していたオリンパス ペンFを使って理科実験のように表面張力や磁力などの不思議な現象を接写で捉えた「不思議な力」シリーズをはじめ、同シリーズの対となる「父のアルバム」では、亡くなった父親が遺したネガフィルムを野口がプリントした作品群が展示される。また、雑誌「SWITCH」の荒木経惟特集で車窓からの撮影を依頼されたことがきっかけとなって制作された作品をもとに、後年、動画で撮影した映像作品「夜の星へ」や、風にあおられ、空中をゆっくりと浮遊しているアオムシの動きを捉えた映像作品「アオムシ」など、すべての作品には創作の源泉の一端となった“不思議な力”が通底している。同時に、自らの純粋な好奇心を追求し、独自の視点で映し出された野口の作品は、私たちがいるこの世界が小さな驚きと発見に満ち、そして美しく豊かであることを鑑賞者にもあらためて気づかせてくれる。
なお、会期中の12月16日(金)18:00~(予定)には、作家本人を招いたアーティスト/トークが開催される他、吉本ばななや東京都写真美術館の石田学芸員によるテキストと出品作品図版、会場インスタレーション写真を掲載した展覧会図録なども刊行予定(11月上旬)となっているので、本展と併せてチェックしてみてはいかがだろう。
会期:開催中(2023年1月22日まで)
会場:東京都写真美術館2F 展示室
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間:10:00~18:00(木、金は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)、年末年始(12月29日~1月1日、1月4日)
観覧料:一般 ¥700/大学生、専門学生 ¥560/中高生・65歳以上 ¥350
*小学生以下及び都内在住・在学の中学生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料。
*1月2日(月)、3日(火)は無料。開館記念日のため1月21日(土)は無料。
*オンラインによる日時指定予約推奨
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