NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT DEC, 2024
即興をキーワードに偶発性を作品に反映させた,
ホンマタカシの国内10年ぶりとなる個展が開催。
ART Oct 18, 2023
ホンマタカシにとって、日本の美術館で開かれる約10年ぶりの個展「即興 ホンマタカシ」が、東京都写真美術館にて2024年1月21日(日)まで開催中。
1990年代以降の東京および日本の写真界を代表する作家のひとりであるホンマタカシは、1999年に都市部におけるサバービアを切り取った写真集「東京郊外」(光琳社出版)で第24回木村伊兵衛写真賞を受賞。行政やデベロッパーによる画一的な開発が進む東京近郊の風景と、そこに暮らす学生やスケーターなどの若者を一定の距離感で撮影し、叙情性を拝したフラットな視点で国内外から高い評価を獲得。2011年から2012年にかけて、国内3ヵ所の美術館を巡回した大規模個展「ニュー・ドキュメンタリー」では、キャリア初期に手掛けたイギリスのカルチャー誌「i-D」をはじめとするマガジンワークや、変わりゆく東京の風景と1人の少女が成長する姿を写した「Tokyo and my Daughter」、さらに、写真家の中平卓馬をモチーフにした映像作品などホンマにとっての写真、映像表現の広がりを網羅的に見渡す新旧作品を展示した。
日本では久しぶりの大規模開催となる本展では、建築物の一室をピンホールカメラに仕立て、世界各地の都市を撮影。本展の中核をなす出品作品「THE NARCISSISTIC CITY」について、ホンマ自身も「都市によって都市を撮影する」と語るなど、外に向かって開かれた小さな穴から差し込む光は、真っ暗な部屋の中に倒立した都市の風景を即興的に描き出している。
この“即興”という言葉こそ、本展におけるひとつの重要なキーワードであり、作品や展覧会自体に偶然性を取り入れることに作家の現在の関心が向けられているという。実際に作品の中にも文字として現れる本展の英題「Revolution 9」は、ビートルズが様々な音源を元にコラージュのように制作した、同名曲へのオマージュとして捧げられたものである。
この10年あまりに制作された作品を中心に構成される本展は、写真および映像表現にラディカルな問いを投げかけるホンマタカシの“現在”に迫るものでもある。加えて、本展の開催に併せてSANAAの妹島和世や磯崎新を主題にした映像作品の上映や、ホンマタカシとゲストによる対談、さらに東京都写真美術館の学芸員によるギャラリートークなども予定されている。各イベントの日時や定員などの詳細については、東京都写真美術館のオフィシャルサイトに掲載されているので、まずはご確認を。
会場:東京都写真美術館 2F展示室
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
会期:開催中(2024年1月21日まで)
時間:10:00~18:00
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12月29日~1月1日)
入場料:一般 ¥700(¥560)/学生 ¥560(¥440)/中高生、65歳以上 ¥350(¥280)
*( )は有料入場者20名以上の団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引料金。
*各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。各種割引の併用はできません。
*小学生以下、都内在住/在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、年間パスポートご提示者は無料。
*第3水曜日は65歳以上無料。
*1月2日(月)、3日(火)は無料。開館記念日のため1月21日(日)は無料。
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