NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT JAN, 2025
環境への配慮と責任ある生産背景から生まれた,
パタゴニアのパイルフリース コレクションが発売。
FASHION Dec 10, 2021
アメリカ発のアウトドアブランド「Patagonia(パタゴニア)」は、リサイクル素材を採用したパイル フリースの新作コレクションを発売した。
パタゴニアといえば、フリースアイテムを思い浮かべる人も多いだろうが、その歴史は、同ブランドがこれまで真摯に取り組んできた環境問題と、そこで働く人たちの尊厳を守り、より良い労働環境を整備する試行錯誤の歴史でもあった。フリースが初めて登場した70年代、ウールと同様の保温性と耐久性を備えながら、より軽量で速乾性に秀でた奇跡のマテリアルとして、アウトドアの世界を中心に飛躍的に普及する一方、フリースの元となる石油由来の繊維が環境に与える影響は決して無視できるものではなかった。そこで、パタゴニアは1993年に世界で初めて廃棄物からフリースを生み出すことに成功。以降、年月を重ねる毎にその革新的な技術は更新され、今季のFall21シーズンでは、すべてのフリース製品にリサイクル ポリエステルが採用されるまでとなった。
身体を暖かく包み込む快適な着心地と、環境への配慮を両立した最新のパイルフリース コレクションは、メンズ、ウィメンズの展開。メンズは、レイヤリングにも最適なフルジップ仕様の「メンズ ロス ガトス フーディ」、定番ジャケットにDWR(耐久性撥水)加工を施し、襟元をショールカラーにアレンジした「メンズ スナップ フロント レトロX ジャケット」、クラシックなプルオーバータイプでコントラストカラーのトリミングを効かせた「メンズ シアーリング ボタン プルオーバー」、ミニマルなデザインが実用的な、リバーシブル仕様のクルーネック「メンズ リバーシブル シアーリング クルー」の全4型がラインナップする。
また、本コレクションを紹介する上で、特筆すべきは生産過程における「フェアトレード サーティファイド」裁縫の採用である。こちらは、労働者の権利を守るためにパタゴニアが2014年から採用しているプログラムで、「フェアトレード サーティファイド」ラベルの付いた1点の製品ごとに、縫製を手掛けた工場の労働者に直接賞与(プレミアム)が支払われる。その用途は、民主的な手続きを経て選出された労働者から構成されるフェアトレード委員会によって、労働者へのボーナスとして支給される他、ヘルスケアや託児所など、地域事業のために使用されたり、パソコンやレンジなどこれまで購入できなかったものを買うための資金などに充てられる。パタゴニアはこれまで同プログラムを介して、世界中の10カ国、7万2千人以上への労働者に恩恵をもたらしている。この取り組みは、単に社会的かつ環境的遵守だけではなく、労働者の関係と安全を促進し、搾取の構造が生まれやすいアパレル工場において、従業員と経営者の関係を対等なものとし、両者の間の会話を促進させる効果も期待されている。
ブランドのみならず、企業または経営者の姿勢や対応に、不買という形で抗議の意を示すキャンセルカルチャーが、その是非を含めて議論の対象になっているが、企業の社会的活動を促したり、応援することを目的に商品の購入やサービスを利用することは紛れもなく消費者の真っ当な権利である。数限りない選択肢がある中で何を選び、何を使うのか。その判断は私たちに委ねられており、その行為が大袈裟ではなく様々な人たちの幸せな未来に繋がっていることを考えなければならない。パタゴニアのアイテムを通して、その先に存在する人たちや世界に目を向けてみてはどうだろう。
TEL 0800-8887-447
www.patagonia.jp