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現代の子供たちが直面する危険を描いた,
衝撃作「SNS-少女たちの10日間-」。
ENTERTAINMENT Apr 22, 2021
チェコ国内でドキュメンタリー作品としては、異例の大ヒットを記録した「SNS-少女たちの10日間-」が、4月23日(金)より公開される。本作は、SNSにはびこる性的搾取の実態や、現代の子供たちが直面する危険をリアリティショーの形を借りてつぶさに記録したドキュメンタリー映画である。
舞台となったのは、巨大な撮影スタジオに作られた3つの子供部屋。幼い顔立ちをした3名の女優(18歳以上)は、12歳という設定で偽のSNSアカウントを作成。精神科医、性科学者、弁護士、警備員など複数の専門家による万全なバックアップのもと、少女役の女性たちは各々の部屋で、連絡してきたすべての男性と10日間限定でコミニケーションを取ることになる。“自分からは連絡しない”、“会う約束は持ちかけない”、“誘惑や挑発はしない”といった厳密なルールを設け、恣意的にならないよう公平性に配慮したものの、2000人以上のオオカミが相手は12歳であることを理解した上で、繋がりを求め、ビデオセックスを要求し、自身の性器の写真やポルノのリンクを送信してくる結果となった。予告編では、あくまでルールの中で演じていたはずの女優が「もう無理!」と音を上げるほど、生々しくグロテスクな光景が繰り広げられ、時に恐喝や脅迫を受けるなど予想外のトラブルに発展していく。
監督を務めたのは、チェコ出身のドキュメンタリー作家、バーラ・ハルポヴァーとヴィート・クルサークの2人。公開直後からその衝撃的な内容は、チェコ国内でも大きな議論を巻き起こし、作品は大ヒットを記録。現地の警察からは刑事手続の映像が要求されるなど、実際の犯罪の証拠として警察を動かすまでとなった。
子供に限らず、女性たちがこうした恐怖と常に隣り合わせであり、映画の中のフィクションではなく、現実と地続きであることはあまりにも恐ろしいことである。そして、大人たちによる性の搾取が絶対に許されないということはいうまでもないが、本作に取り組んだ監督が新たに分かったこととして、後のインタビューで語っているように、少年少女が自分の裸体の価値に気付き、躊躇なくそれを売ってしまう悲しい現実も決して無視できないはずだ。
現代の子供たちが直面する危険をリアルに描いた「SNS-少女たちの10日間-」は、ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国の劇場で順次公開される。
4月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー
©2020 Hypermarket Film, Czech Television, Peter Kerekes, Radio and Television of Slovakia, Helium Film All Rights Reserved.
監督:バーラ・ハルポヴァー、ヴィート・クルサーク
原案:ヴィート・クルサーク
出演:テレザ・チェジュカー、アネジュカ・ピタルトヴァー、サビナ・ドロウハー
字幕翻訳:小山 美穂
字幕監修:牧野ズザナ
配給:ハーク
配給協力:EACH TIME
2020年|チェコ|104分|原題 V síti|R-15
www.hark3.com/sns-10days