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SWAG H. ISSUE11
FASHION STORIES
“THE SATURDAYS”

ファッション特集“ザ サタデーズ”。
それぞれのストーリーを紹介。

 

THE SATURDAYS
ザ サタデーズ

かつて, 週休1日だったあのころ。土曜日は午前中で学校(仕事)が終わるという開放感とともに引き起こされたあのなんともいえない高揚感, または多幸感。
 今日はなにをしよう。今夜はなにをしよう。明日は朝からなにをしよう。どこへ出かけようか。だれと出かけようか。なにを着て出かけようか。
あっというまに月曜日が迫ってくるようなちょっと憂鬱な日曜日でもなく, わくわくどきどきしながら五感が研ぎ澄まされていったあのころの特別な土曜日⋯⋯。
 いつのころからなのか, いつのまにか携帯電話を手放せなくなり, いまではスマートフォンがないと生きていけないのかというくらいぼくらは24時間, 年中無休状態の区切りのないオンラインの世界で生きているような気がする。
確かに便利になったことはたくさんある。けれども, 失われたこともたくさんあるはずだ。

西暦2020年, 令和2年。東京オリンピックの開催が予定されていたこの記念すべき時代の節目に, 突然襲ってきてはいまもなお猛威をふるい, 収束のめどが立たない新型コロナウィルス感染症COVID-19。
 外出することも, 人と会うことも控えなければならないこの現実社会では, これまで以上にオンラインの世界となってしまった。通勤? 通学? いらないんじゃない? そもそもがたいていのことはオンラインの世界で済んでしまうのではと, お堅いお役所も, テクノロジーを拒んできた旧い世代も, いまさらながら気づいてしまったようだ。
 そして, この先もインターネットありきのオンラインの世界で, 新しい働き方や新しい生活様式に人々は, それなりに順応していくことができるのかもしれない。ニューノーマルだかなんだかよくわからない新用語と, 新たな風潮や常識というものに振り回されながらも。

でも, はたしてぼくらのマインドまでもが, リアルについていくことができるのであろうか。どこにも終わりのないような黙々とつづいていくこの区切りのない世界と, ただはてしなくつづいていくような時間に⋯⋯。
 かつては, 休日が少なかったからなのか, いまでいうオフラインの時間と世界があたりまえの日常だったからなのか, そのこたえはわからないけれど, あのころの土曜日のように, あのころの特別な土曜日を⋯⋯いま, ぼくらは欲しているような気がしてならない。
 “THE SATURDAYS”⋯⋯ それぞれの想いがこめられた最高の土曜日を⋯⋯。

SWAG HOMMES 編集長 奥澤 健太郎

 

EARLY-OUT FRIDAY, LATE-START MONDAY
アーリーアウト フライデー, レイトスタート マンデー

まだ週休1日制だった昭和時代。土曜日の夜から翌朝までオールナイトで遊び倒すも, せっかくの日曜日なのに起きたら夕方で早くも休日終了!! 明日はもう学校(仕事) かぁ⋯⋯なんて憂鬱な気分で, 日曜日の締めくくりには“天才・たけしの元気が出るテレビ!!”を, 家族全員でお茶の間で観ていたなぁ。兵藤(ゆき)さん, 元気っすかねー。
 令和時代のいまは, ゆとり, さとりも超えて, 土曜日を遊び倒すためにも, 金曜日は早退して, 月曜日はスロースタート! でお願いしたいところっす。
 スタイリスト, 高橋ラムダによる昭和(80年代後半から90年代初頭ごろ)のアティチュードで纏うカッティングエッジな最新ハイファッションを, 日本のファッション界を代表する写真家のひとり, 荒井俊哉がとらえた。

Photography_Shunya Arai  Styling_Lambda Takahashi  Hair&Make-Up_Masanori Kobayashi  Model_Marina, Kakuyuu Suzuki, Yudai

 

THE FEVER:BALENCIAGA
ザ フィーバー:バレンシアガ

白いスーツを華麗に着こなすジョン・トラボルタに憧れた70年代のディスコ時代のように, 心躍る土曜日のナイトパーティーライフを, わたしたちはこの先の未来もはたして体感することができるのであろうか。
 でも, そんなの待ってらんねーって! だったら自分たちで勝手にレイヴパーティーでも仕かけて, フィーバー!! フィーバー!! フィーバー!!
 特定のドレスコードの価値観を反転, 祭服や法服のもつ厳格さをカジュアルウェアへと再解釈し, クラシカルな伝統, ハードコアの美学, フェティッシュなディテールを織り交ぜながら再編成されたバレンシアガ WINTER 20 コレクションを主役に, ポストコロナ時代の新たなレイヴカルチャーをテーマにした物語を気鋭の写真家, タカコノエルが紡ぐ。

Photography_Takako Noel  Styling_Ryota Yamada  Hair&Make-Up_Ryoki Shimonagata  Neon Signs_ifax!  Model_Aleksandr, Nontobeko 

 

ing:SAINT LAURENT
イング:サンローラン

アメリカ黄金期とよばれた1950年代, 戦勝国として豊かな経済発展を謳歌する保守的な社会や制度を否定, 批判し, 言葉を武器に個人の魂の解放を訴えた主張や思想をビート運動, またはそれらの活動を実践する者をビートニク, かかわった世代をビートジェネレーションとよんだ。そして, その中心人物は作家のジャック・ケルアック, アレン・ギンズバーグ, ウィリアム・S・バロウズといった面々。
 そんなアメリカを代表するカウンターカルチャーと, 70年代のロンドンパンクから着想を得てイメージを融合させたというサンローラン FALL WINTER 20 コレクションとともに, 昭和の風情が残るノスタルジックな街の路地裏を彷徨く若者たちと, 徹夜明けの気怠い日曜日の朝を想起させるような詩的な情景を切り取ったのは, ロンドンを拠点に活動する写真家の野田祐一郎。スタイリングは服部昌孝が担当した。

Photography_Yuichiro Noda  Styling_Masataka Hattori  Hair_Mikio Aizawa  Model_Hyo Kagou, Amisa Nix, Ou Henkai 

 

THE HOMIES
ザ ホーミーズ

約4000人のブラジル人, ペルー人, ボリビア人など南米にルーツをもつ移民たちの集住地区である愛知県豊田市の“保見団地”。実際にその団地を住居とし, 3年間にわたって住人たちの日常を撮りつづけたという写真集[Familia 保見団地]でおなじみの写真家である名越啓介を誘い, スタイリストの丸山晃も参戦。夏の終わりの土曜日を狙って, ぼくらは保見団地に潜入した。
 昭和の日本を象徴するようなどこにでもある団地の風景に, 異国情緒漂う独特な色と匂いがにじむような雰囲気のフッドに暮らすラッパーやスケーター, いまどきのティーンガールたちをモデルに, ローライダーやレーシングチームも加わり, リアルでスリリングなシューティングは土曜日の深夜までつづいた。

Photography_Keisuke Nagoshi  Styling_Akira Maruyama  Hair_Asahi Sano  Make-Up_Marino Asahi  Model_Anna Julia, Ana Luisa, Ana Beatriz, Rafael, Airi, Lucas Tsukamoto, Hideki, Vicky, Felipe, Reiko, Playsson 

 

dodo曜日。:GUCCI
ドド曜日。:グッチ

1990年代より日本を代表する写真家のひとりとして, 国内外のファッションシーン最前線で活躍する鈴木親が, 既存のラッパーのスタイルにとらわれない自身のリアルさが共感をよぶラッパー, dodo(ドド)を撮り下ろした。
 衣装は, クリエイティブ ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが, この多様性の時代における新しい男性像をアピールしたどこかフェミニンなグッチ FALL WINTER 20-21 メンズコレクション。
 アニメ, マンガ, ゲームといったサブカルチャーの聖地ともよばれているオタクが集うエリアにして, カオスな魅力が詰まった街, 中野を舞台に撮影は敢行された。

Photography_Chikashi Suzuki Styling_Takayuki Tanaka Hair_Amano Model_dodo 

 

WAYFARING STRANGER:VIVIENNE WESTWOOD
ウェイファリング ストレンジャー:ヴィヴィアン・ウエストウッド

突き抜けるような夏の青空が海と崖と山を, さらには水と砂と石と草を紡ぐ。この壮大なロケーションで静かに繰り広げられるファッションストーリーを手がけたのは, 日本を代表する映像作家, 映画監督にして写真家としても活躍する山田智和。
 たとえば, とある週末の土曜日。おもいっきり奇抜なファッションとメイクできめて, だれよりも目立ちたいと思いながらストリートを闊歩したり, あるいは爆音のクラブで躍りまくるとか, 少し前までごくあたりまえだった日常とその風景は, はたしてこの先に戻ってくるのだろうか。それともそんな過去は, もうこの先の未来には必要のないことなのだろうか。
 未来のすべてを見失ってしまったわけではないけれど, いまのぼくらはただひたすらどこか狂ったように, あてもなく彷徨うしかないのであろうか。

Photography_Tomokazu Yamada  Styling_Hayato Takada  Hair_Shunsuke Meguro  Make-Up_Mariko  Model_Denis 

 

THE NEIGHBORHOOD OF SATURDAYS:Y-3
ザ ネイバーフッド オブ サタデーズ:ワイスリー

Y-3 FALL WINTER 20 コレクションで発表された“太陽のもと, ヨウジさんらしき人が走らせるオートバイと, その後ろを追いかけるようにして走る愛犬が描かれたイラスト”を目にした本誌の編集長が, 自粛中の自身のライフスタイルとシンクロしてると感じて生まれたストーリー。
 実際に編集長が10年前から拠点としている千葉県某所の近所で撮影は敢行され, 編集長が所有するヴィンテージのオートバイや飼いはじめたばかりの愛犬も登場した。撮影はアメリカ出身の国際的なファッションフォトグラファー, ジョン・クレイトン・リーが担当。どこにでもありそうな日本の田舎の田園風景を背景に, 伝統的なスポーツ競技を象徴するアイコニックな要素と, アーバンスポーツの優雅なスタイルを融合させたアクティブウェアを纏うモデルたちをおさめた。外国人ならではの独特な視点と感性を持ち合わせながらも, 日本的な侘び寂びの精神が感じられる。

Photography_John Clayton Lee Styling_Ryota Yamada Hair_Hori Model_Koki Asao 

 

THE[SATUR]DAY
“ザ デイ”

自然や気候条件によって大きく左右されるサーフィングやスノーボーディング。必ずしも理想の波や雪とめぐりあえるわけではない。むしろめぐりあえる方が稀だ。だからこそサーファーやスノーボーダーは、最高の波や雪とめぐりあえた最高の日のことをリスペクトをこめて“THE DAY[ザ デイ]”とよぶ。
 ビーチに行けない夏, 海で泳げない夏, 海から空へと昇っていく太陽を, または空から海に沈んでいく太陽とその景色を眺められなかった今年の夏⋯⋯。
 2020年8月の毎週土曜日に, “THE DAY ”をもとめて, 葉山在住で1年のほとんどを海のそばで過ごすという写真家の芝田満之が, さまざまな角度からロマンティックで情緒的な湘南のビーチを撮り下ろした。淡くそしてどこかせつない色彩豊かな真夏の海と空⋯⋯。きっと忘れないであろう, これは2020年8月の毎週土曜日を切り取った夏の風物詩ともいえる湘南のビーチを物語る“THE[SATUR]DAY”の記録である。

Photography_Mitsuyuki Shibata